十勝の地でも、月が闇の静寂のなかへと消えてゆきました。

ギリシア神話では、夜の帳が降りるのは、天の神ウラノスが妻である地母神ガイアに覆いかぶさるからだと考えられていた(ヘシオドス『神統記』)。
僕は詳しく知らないが、月食の神話的説明も世界に数多くある。インカ帝国では、月食はジャガーが月を襲って食べてしまうために起こるのであり、月が赤銅色に見えるのは、ジャガーに襲われた月が血を流すためだと考えられていた(ナショジオの記事より)。
「古代のにんげんはすけーるがちがうね。心のすけーる」(『聖剣伝説LOM』より、サボテン君のコメント)。
空や海を眺めること、星を見上げることは、歴史を書くという営みとも似ている。世界のなかで自分がどれだけちっぽけな存在かということに、思いを馳せる機会を与えてくれる。偉大な物理学者であったアイザック・ニュートンにして、自身を大海の岸辺で美しい貝殻を拾って喜ぶ子どもに例えていた。
周囲の人間に対して抱く、ちっぽけな自尊心や競争心は捨ててしまおう。そうすることではじめて僕らは、世界の大きさに対峙しても、自分を閉じることなく生きてゆくことができるのだろうから。心のすけーる。